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<title>人を裁く――裁判員制度と光市母子殺害事件</title>
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<description>裁判員制度    一市民が死刑判決を下す日    光市母子殺害事件に学ぶ</description>
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<title>人を裁く難しさ　光と影～光市母子殺害事件弁護団の300日</title>
<description> 　昨年、被告人への死刑判決後、「光と影　～光市母子殺害事件 弁護団の300日～」という東海テレビ制作のドキュメンタリー番組が放映されました。　後日、再放送されたフジテレビのサイトで、番組はこのように宣伝されていました。　1999年4月14日、山口県光市で母と生後11カ月の長女が殺害された「光市母子殺害事件」。当時18歳だった少年が逮捕され、一審二審の判決は、無期懲役。しかし、最高裁は、死刑含みで、審理を広島高裁
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<![CDATA[ 　昨年、被告人への死刑判決後、「光と影　～光市母子殺害事件 弁護団の300日～」という東海テレビ制作のドキュメンタリー番組が放映されました。<br />　後日、再放送されたフジテレビのサイトで、番組はこのように宣伝されていました。<br /><br />　<span style="color:#0000FF">1999年4月14日、山口県光市で母と生後11カ月の長女が殺害された「光市母子殺害事件」。当時18歳だった少年が逮捕され、一審二審の判決は、無期懲役。しかし、最高裁は、死刑含みで、審理を広島高裁に差し戻した。<br />　最高裁の途中段階から、弁護団は、差し変わった。起訴事実を争わず、情状を主張してきた旧弁護団が、「死刑含み」の状況に危機感を感じたためである。新弁護団には、21人の弁護士が集まり、この事件を再調査することになる。この弁護団の中に、名古屋の村上満宏弁護士も加わっていた。村上弁護士は、自身の弁護経験から「謝罪や反省は、いつか被害者遺族に届く」と信じていて、事件に真っすぐに向き合うよう、光事件の被告と幾度も面会を重ねていた。村上弁護士が見た被告は、流布されていた凶悪な姿ではなく、精神年齢の低い青年だった。<br />　一方、裁判は思わぬ方向へ動き始める。被告は、新弁護団に殺意がなかったこと、そして、強姦目的で現場を徘徊していたのではないことなどを告白する。一、二審で争われなかった新事実であった。弁護団は、争点を絞りながら、法廷で新事実を展開する。しかし、感情的な空気の中で、世論は「荒唐無稽な供述を始めた」「死刑が恐くなって事実を翻した」と被告を非難、さらに、弁護団にまで、「鬼畜」「悪魔のしもべ」などとバッシングの嵐が吹き荒れる事態となる。また、「悪者を弁護する必要などない」ということを、メディアで平気で語るコメンテーターまで現れる。<br /><br />　私たちは、裁判とは何か、刑事事件の弁護活動とはどうあるべきか、弁護士とは、どういう職責を持つものなのかを、冷静に見ることが欠落した危険な風潮を感じた。このため多様な視点を提示するべきだと考え、弁護団会議などにカメラを入れ、取材を重ねた。差し戻し控訴審判決は、「死刑」と出た。しかし、裁判員として法廷で人を裁く立場となる私たちに「光市母子殺害事件」は、さまざまな問題を残したのではないかと考える。果たして、この番組から、何が見えてくるか…。 <br /><a href="http://www.fujitv.co.jp/b_hp/fnsaward/17th/08-299.html" target="_blank" title="光と影">http://www.fujitv.co.jp/b_hp/fnsaward/17th/08-299.html</a></span><br /><br />　制作を担当したプロデューサー・阿武野勝彦氏は、番組について以下のようなコメントをしています。<br /><br /><span style="color:#0000FF">　「死刑だ」「殺してしまえ」…。会ったことも、言葉を交わしたこともない被告に、なぜ、こんなに感情的になってしまうのか？　「鬼畜弁護団」「悪者を弁護するなど必要ない」…。被告の弁護士たちまでバッシングする社会のありようを、正常と言えるのか。私たちは、弁護団側から「光市母子殺害事件」を取材しました。この番組は、誰かを陥れたり、傷つけたりするためではなく、よりよい社会を作っていくために、多様なものの見方を提示することが必要だとの思いから制作しました。「情報過多」も問題ですが、「予断」や「偏見」は「情報過疎」から生まれるものです。メディアとしての役割を考えながら制作しました。すでにご覧いただいた方たちからの感想を、東海テレビのホームページに掲載しています。視聴後に、隣人の意見としてお読みください。</span><br /><br />　それまでのマスコミ報道の流れを見れば、この番組は価値ある取り組みをしたのではないかと思います。事実、この番組は、２００８年日本民間放送連盟賞の番組部門・テレビ報道番組で最優秀賞を受賞しています。<br /><br />　実際に、東海テレビのサイトには、視聴後の感想が数多く寄せられています。<br /><a href="http://tokai-tv.com/interpost2/message_disp/disp.php3?item_id=4365&amp;page_num=11" target="_blank" title="光と影・感想">http://tokai-tv.com/interpost2/message_disp/disp.php3?item_id=4365&page_num=11</a><br />　番組に賛同する意見もある反面、やはり被告人に厳罰を求める反対意見もかなり見られます。<br />　ただもし、これまでのマスコミ報道が全く反対に、このような東海テレビの報道が８割９割方であったならば、そのような反対意見を述べる人達が今も同じ感想を述べているかどうか、疑問の残るところです。<br /><br />　このような現状の中で、今年５月からはいよいよ裁判員制度が始まります。一市民であるわたし達が被告人に死刑判決を下す場面がやってくるわけです。<br />　わたし達が何の予断も偏見もなく、この制度に臨むことができるのかどうか。そういった国民的な議論もない中で、裁判員制度は見切り発車のように始まってしまいます。<br /><br />　この東海テレビの番組のナレーターを務めた寺島しのぶさんは、以下のようにコメントされています。<br /><br /><span style="color:#0000FF">「光市母子殺害事件」は、あまりにもショッキングな事件でしたから、初めこの番組のナレーションのお話が来た時、お受けしたくないと思いました。ナレーションをして、今は、よかったと思っています。番組を通じて、被害者家族、弁護団、裁判官など、色々な人が、この事件に関わっていて、様々な見方があることが分かりました。特に「鬼畜」と非難された弁護団の人たちが、何をしていたのかは、初めて知ったという感じです。弁護団の立場でもなく、被害者遺族の立場でもなく、感情的にではなく、あくまで冷静に、「事実は、こういうことだったのではないか」が確実に伝わればと、ナレーションしました。裁判員制度が、まもなく始まりますが、この事件に限らず、人を裁くということが、難しいことだと感じました。</span><br /><br />「人を裁くということが難しいことだと感じました」――この言葉が何よりも深く印象に残ります。<br /><br /><br />光市母子殺害事件・被告側元弁護団　今枝弁護士に訊く 5of5<br /><object width="320" height="260"><param name="movie" value="http://www.youtube.com/v/M4-t_vUQsQc&hl=en&fs=1"></param><param name="allowFullScreen" value="true"></param><embed src="http://www.youtube.com/v/M4-t_vUQsQc&hl=en&fs=1" type="application/x-shockwave-flash" allowfullscreen="true" width="320" height="260"></embed></object><br /> ]]>
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<dc:subject>裁判員制度</dc:subject>
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<title>マスコミ報道に問題はなかったか</title>
<description> 　多かれ少なかれ、メディアの中で報じられる出来事と、実際に起きている出来事には何らかの落差がある。それはこの裁判に限ったことではない。ほかの犯罪事件でも、政治・スポーツ・芸能など、世の中のあらゆる出来事・人にはその実像と虚像が入り混じる。そのこと自体は何も不思議ではない。様々なメディアが様々な角度から様々な対象を取り上げることによって、多くの人が多様な視点を通じてそのことを知ることができると思う。
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<![CDATA[ 　<span style="color:#0000FF">多かれ少なかれ、メディアの中で報じられる出来事と、実際に起きている出来事には何らかの落差がある。それはこの裁判に限ったことではない。ほかの犯罪事件でも、政治・スポーツ・芸能など、世の中のあらゆる出来事・人にはその実像と虚像が入り混じる。そのこと自体は何も不思議ではない。様々なメディアが様々な角度から様々な対象を取り上げることによって、多くの人が多様な視点を通じてそのことを知ることができると思う。そんな自由な言論・報道によって生じる「違い」が何よりも重要だ。ところが、この光市裁判にはそうした多様多角的な視点はメディアにはほとんどない。いや、「ほとんど」どころか特にテレビ報道では、「全く」ないと言っていい。なぜなら、この裁判報道は一斉にある起点から同じ方向に向けられている。それは被害者遺族の男性の声や主張を起点にして、被告人の元少年、あるいは被告弁護団に向けられている感情の「激流」ともいえる大きな流れだ。その流れにシンクロする報道だけがずっと繰り返されてきた。</span><br />（「世の中に伝えるべき対象は『被害者･遺族』だけなのか」綿井健陽／『光市事件裁判を考える』）<br /><br />　この裁判を振り返ったとき、いくつかの問題点を見出すことができます。　<br /><br />①法医学鑑定に則って、警察・検察の取り調べが正しく事実を確認しながら行なわれたのかどうか<br />②事実確認を十分に行なわなかった１審、２審の審理は果たしてそれでよかったのかどうか<br />③被害者遺族としての本村さんの姿を克明に報道する中で、失われた視点はなかったのかどうか<br />④急遽方針を変えた最高裁判所の判断は妥当だったのかどうか<br />⑤偏ったマスコミ報道を鵜呑みにして、国民が安易に感情的な世論を形成しなかったのかどうか<br /><br />などです。<br /><br />　中でも特に、メディアの報道が裁判全体に与えた影響は小さくなかったのではないでしょうか。大量のマスコミ報道で伝えられた被告の元少年の印象と、身近に接してきた差し戻し弁護団からの話として聞く印象とのギャップはあまりにも大きなものがあります。<br /><br />　もちろん、被告人が行なった犯罪行為は変わるものではありません。しかし、被告人の生い立ちや動機、どのような心情を背景としてなされたのか等の情状は、判決の量刑を決める際、本来重要な観点になるはずのものです。<br /><br />　果たして、被告人は巷間伝えられるような残虐・凶悪で今なお全く反省もせず、それゆえ更生の余地のない極刑がやむを得ない人間なのでしょうか。<br /><br />　もし、この裁判が一部報道で指摘されたように、複数の被害者を生じさせた殺人事件は一律死刑にするという、裁判員制度のための基準作りのために活用されたのだとしたら、どうしても疑問が残ります。<br /><br /><span style="color:#0000FF">【光市母子殺害】被害者複数なら「原則」死刑適用のスタンス―裁判員制度に大きく影響<br /><br />　山口県光市の母子殺害事件で広島高裁は２２日、犯行当時１８歳だった被告に極刑を宣告した。「死刑相当」とした最高裁による差し戻しを受けての判断ではあるが、従来の量刑基準から厳罰化へと大きく踏み出した判決といえよう。<br /><br />　死刑適用の是非をめぐる司法判断は、最高裁が昭和５８年に示した「永山基準」に基づいて行われる。差し戻し前の１、２審判決も永山基準に沿って検討したうえで、被告が未成年であったこと、殺害の計画性が認められないことから「極刑がやむを得ないとまではいえない」として無期懲役を選択した。当時の量刑の“相場”から言えば「妥当な判断」（法曹関係者）ではあった。<br /><br />　だが、本村洋さんをはじめとした犯罪被害者の権利意識の高まりや厳罰化を求める世論を受ける形で、最高裁は平成１８年６月、「特に酌量すべき事情がない限り、死刑の選択をするほかない」と判示。死刑を「例外」とした永山基準以降、未成年による２人殺害で死刑が確定した例はなかったが、原則死刑適用へと姿勢を転換させた。<br /><br />　それを具現化したのが今回の判決だ。広島高裁は形式的な審理にとどまらず、弁護側が主張する判決の事実誤認や被告の更生可能性について検討するために１２回の公判を重ねた。そのうえでの判断だけに重い。<br /><br />　来年５月には裁判員制度が始まる。裁判員が死刑か無期懲役かの判断をするうえで、今回示された判断が大きな影響を与えることは間違いない。（産経ニュース　2008.4.22）</span><br /><br />光市母子殺害事件・被告側元弁護団　今枝弁護士に訊く 3of5<br /><object width="320" height="260"><param name="movie" value="http://www.youtube.com/v/OoxzgidavIA&hl=en&fs=1"></param><param name="allowFullScreen" value="true"></param><embed src="http://www.youtube.com/v/OoxzgidavIA&hl=en&fs=1" type="application/x-shockwave-flash" allowfullscreen="true" width="320" height="260"></embed></object><br /> ]]>
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<dc:subject>光市母子殺害事件</dc:subject>
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<title>「睨まれた」の真相　被告人の斜視</title>
<description> 　本村洋さんが、「今日、被告人に鋭い目で睨まれた。遺族としてこれほどの怒りを覚えたことはない」とコメントしたことを受けて、弁護団は被告人に確認したところ、「本村さんを睨んでいないし、目を合わせてもいない」と答えたといいます。　今枝弁護士は、この件について以下のように説明しています。　実は、Ｆ君と初めて接見したときから、眼球の向きが不整合であること、すなわち斜視であることが気になっていた。つまり、一
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<![CDATA[ 　本村洋さんが、<br />「今日、被告人に鋭い目で睨まれた。遺族としてこれほどの怒りを覚えたことはない」<br />とコメントしたことを受けて、弁護団は被告人に確認したところ、<br />「本村さんを睨んでいないし、目を合わせてもいない」<br />と答えたといいます。<br /><br />　今枝弁護士は、この件について以下のように説明しています。<br /><br />　<span style="color:#0000FF">実は、Ｆ君と初めて接見したときから、眼球の向きが不整合であること、すなわち斜視であることが気になっていた。つまり、一方の眼は見ている対象の方向を向いているが、もう一方の眼が対象のほうを向いていない。極端に言えば、右眼と左眼が全然別の方向を向いているのだ。Ｆ君の過去の記録を読み返してみても、幼少時に頭を強打したことが原因で斜視になっており、脳の器質的障害も疑われる…などとある。Ｆ君は話しをするとき、左眼を相手の顔に向けるが、右眼は全然別の外側を向いている。彼が法定を退廷しようとしたとき、前方を左眼で見た際に、右眼は右斜め前、つまり本村さんの傍聴席の方向を向いていた可能性があるということだ。Ｆ君が退廷したのは法定の右横のドアからえ、傍聴していた本村さんがいたのは法廷に向かって右よりの傍聴席だった。状況的に可能性は十分にある。目視に使われていないときの彼の右眼は、その先に何も見ていない訳だから、本村さんの側から見ると感情のこもっていない表情にように映り、あるいは敵意を感じたかもしれない。もし、それを見た本村さんが「私を睨んでいる」と思ったとしても、仕方がない話ではないか。</span><br /><br />　被告人の斜視が、誤解を招いた可能性が高いということのようです。<br /><br />光市母子殺害事件・被告側元弁護団　今枝弁護士に訊く 1of5<br />「死刑判決当日の被告人の心境」<br /><object width="320" height="260"><param name="movie" value="http://www.youtube.com/v/PN1OTiREKoc&hl=en&fs=1"></param><param name="allowFullScreen" value="true"></param><embed src="http://www.youtube.com/v/PN1OTiREKoc&hl=en&fs=1" type="application/x-shockwave-flash" allowfullscreen="true" width="320" height="260"></embed></object><br /> ]]>
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<dc:subject>光市母子殺害事件</dc:subject>
<dc:date>2009-01-15T22:18:03+09:00</dc:date>
<dc:creator>よろず</dc:creator>
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<title>「手紙」の真相　一種のおとり捜査</title>
<description> 　このように、今枝弁護士は被告人の戸別訪問や弥生さんに抱きついたことには、根底に性愛的要素があったことは否定できないとしながらも、強姦の計画性や故意はないといいます。　そして、彼の一連の行動には、父親との関係から生じた被虐待者としての心的外傷体験が影響を及ぼしており、虐待に怯えた生活を送った者は、虐待者の怒りを買い、罰を与えられるような情況に接したとき、罰に対する恐怖が何よりも先行し、何をしていい
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<![CDATA[ 　このように、今枝弁護士は被告人の戸別訪問や弥生さんに抱きついたことには、根底に性愛的要素があったことは否定できないとしながらも、強姦の計画性や故意はないといいます。<br />　そして、彼の一連の行動には、父親との関係から生じた被虐待者としての心的外傷体験が影響を及ぼしており、虐待に怯えた生活を送った者は、虐待者の怒りを買い、罰を与えられるような情況に接したとき、罰に対する恐怖が何よりも先行し、何をしていいのかわからなくなり、パニックに陥ってしまう。また、無力感と自暴自棄からくる、「何もかも壊れてしまえ」といった意識が行動をエスカレートさせ、客観的には理解しがたい破壊的行動に向かっていってしまい、ついには意味のわからない無目的な行動にまで至ってしまうのだといいます。<br /><br />　このような心理的な作用が、この事件での被告人にも起きたのではないか。冷徹に目的を成し遂げた凶悪犯であるかのような固定化されたイメージは、実態に即していない、と今枝弁護士は述べています。<br />　差し戻し弁護団が、事件を傷害致死に留まるという主張を展開したのは、事件についての詳細な証拠の検証とこのような理解があったからでした。<br /><br />　しかし、このように被告の少年の残虐性のなさ、凶暴性のなさを主張されると、どうしても疑問に感じる２つの点が残ります。<br />　それは、控訴審で検察側が被告人の反省のなさの証拠とした「手紙」と、本村さんが言っていた法廷で被告人が本村さんを睨みつけたという件です。<br /><br />　「手紙」について、今枝弁護士は、<br /><br />　<span style="color:#0000FF">確かに、このような事件を起こし、２人のかけがえのない尊い生命を奪った被告人が、いかなる状況においても書いていいような内容では決してないし、あまりにも不謹慎な内容の手紙であること、Ｆ君の反省態度が真摯でなかったことは、否定しようがない。</span><br /><br />といいます。しかし、その手紙の真意については、次のように説明しています。<br /><br />　<span style="color:#0000FF">しかし、これらの手紙はＦ君が自ら進んで積極的に書いたものではなく、拘置所で知り合った友人、Ａ君からの手紙や面会時の発言に触発されて「迎合」して書いたものなのだ。Ａ君というこの友人はＦ君から届いた手紙を検察庁に提出し始めた後も、さらにＦ君を煽り立てて手紙を書かせ、それも次々と検察庁に提出していた。<br /><br />　Ｆ君は、家族からも「死んで償え」と言われて見放され、裁判でも自分の認識とは違う態様の事実について追及され、さらには、当初、無期懲役の求刑を示唆するような「生きて償いなさい」という検察官の言葉で、捜査官が見立てた筋書きを受け容れてきたのに死刑を求刑され、戸惑う孤独な状況の中、数少ない友人にまで見放されるのが怖く、繋ぎ止めておきたい一心から相手が期待するような「ワルぶり」を演じていたのだ。</span><br /><br />『光市事件裁判を考える』（現代人文社）の中では、弁護団の村上弁護士、河井弁護士が次のように述べています。<br /><br /><span style="color:#0000FF">村上　コミュニケーションを上手くとれない彼にしてみれば、その方の手紙にものすごく影響されて、一生懸命手紙の返事を書くんです。その方が大きく書いてくると、彼もそれに呼応したかのように大きく書いてくる。だから文体もよく似ています。それをお互いにやり合っていって、たとえば弁護人の悪口を言ったりとか、裁判所をけなしたりすると、被告人もそれに応じていくわけです。…（引用略）…<br /><br />河井　要するに一種のおとり捜査的な側面がありまして、被告人はＡ君という隣の房にいた人間と仲良くなって、そのＡ君が外に先に出たのです。被告人はそのＡ君と文通をするようになるのですが、検察官がＡ君と接触するわけです。検察官が接触したあとでＡ君は挑発といいますか、非常に刺激的、過激な表現を使って、被告人をあおるような手紙を出すわけです。Ａ君は検察官の手の内にあるわけです。…（引用略）…Ａ君はその手紙を検察官のところへ持っていくと、こういう構造のなかで作られたわけです。…（引用略）…あれを書かせたのはＡ君のあおり行為によるものです。Ａ君と検察官が、そのときすでにコンタクトを取っていたということは事実です。</span> ]]>
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<dc:subject>光市母子殺害事件</dc:subject>
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<title>弁護側の精神鑑定</title>
<description> 　また、弁護側精神鑑定は、次のように分析している。「夕夏ちゃんを天袋に置いた後、呆然として押入れの柱にもたれかかっていた。目の前にブラジャーがずり上がり、下半身が裸の女性が横たわっていた。そのとき、初めて自分のペニスが勃起しているのに気付いた。自分はもう終わりだ、だが、セックスしたことがない、続いて実母と一体となろうとした記憶が重なる。実母の期待に応えて、自分に似た子供が作れるか、セックスできるか
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<![CDATA[ 　<span style="color:#0000FF">また、弁護側精神鑑定は、次のように分析している。<br /><br />「夕夏ちゃんを天袋に置いた後、呆然として押入れの柱にもたれかかっていた。目の前にブラジャーがずり上がり、下半身が裸の女性が横たわっていた。そのとき、初めて自分のペニスが勃起しているのに気付いた。自分はもう終わりだ、だが、セックスしたことがない、続いて実母と一体となろうとした記憶が重なる。実母の期待に応えて、自分に似た子供が作れるか、セックスできるか、自信がなかったことなどが、ぼんやり浮かんでくる。さらに、子供を作ることのできる精子なら、女性を生き返らせることができるという、マンガで読んだ思考が浮かんできた。<br /><br />　そこで、被告人は、ペニスを入れようとした。このときまで、死者とセックスするという行為も死姦という言葉も知らなかった、という。なお、強姦という極めて暴力的な性交は、一般的に性経験のある者の行為である。被告人のように性交体験がなく、これまで性体験を強く望んで行動していたこともない少年が、突然、計画的な強姦に駆り立てられるとは考えにくい。また、当初より強姦を目的にしているなら、実母のことを思い出すというのは、不自然である。一般的に母親のイメージは男性の性行為に抑制的に働きやすい。被虐待者の外傷体験を媒介して、死んだ女性の性器にペニスを入れるという行為を導いているようだ。さらに、初めから姦淫目的なら、最初の気絶の状態ですぐ姦淫行為に及んでいない点が不自然である。直線的な行動を取っていない。姦淫目的なら、わざわざブラジャーを切ったり、下着を切ったりする必要はなく、すぐ下着を取り、強姦に及ぶだろう」<br /><br />　「被告人の人格発達は極めて幼い。その原因は、①父親の理不尽な暴力にある。母親と被告人は父親の暴力に晒されて、②被虐待者としての共生関係を持ち、苦しむ母親からの呼び掛けで、性愛的色彩を帯びた相互依存の関係に至っている。③父親から殺されるかもしれないという繰り返された恐怖体験、日常、母親と本人に加えられた父親の暴力は、持続的な精神的外傷となって、幼い被告人に刻印されている。さらに実母が苦しみ抜いて自殺したことにより、母親の死の場面は、被告人の強烈な精神的外傷として記憶された。この精神的外傷は侵人性の体験となり、被告人の少年期、何度となく内面を脅かしている」<br /><br />　「母親の死を十分に受け容れられず、母親との幻の交流を続けていた被告人にとっては、他者とは演技的関係を取り、ゲームの世界に内閉していた。とりたてて反社会的行為も、性的非行もしていない。父親への恐怖、その全能的幻想は、持続していた。外の人間関係に出て行く準備のできていなかった被告人は、就職した会社の親切な対応に遭い、『別の家族のようだ』と不安になる。信頼され、信頼するという人間関係は、彼を不安にさせた。<br /><br />　出社できない被告人は、ゲームヘの没頭に舞い戻り、さらに義母への愛着を通して、実母との性愛的共生に回帰しようとしていた。被害者たちとの出会いは、このような精神状態で起きた。被害者の抵抗に遭ったとき、父親への恐怖が呼び起こされなかったら、これほどの暴力に及んでいなかった可能性がある。被害者の死、とりわけその臭い（※著者註　実母自殺時の脱糞の臭いのことである）は、被告人の精神的外傷を再現させ、精神的外傷体験に誘導されて、死者への性的一体化へと衝き動かされている。<br /><br />　被告人の精神的発達は極めて遅れており、母親の自殺の時点に停留しているところがあり、１８歳以上の者に対するのと同様の責任を問うことは難しい。事件後８年を経過し、遅れたとはいえ、まず母親との外傷体験、共生感情の分析を経て、父親の暴力への恐怖を分析していけば、被告人の精神的発達と安定を促すことが十分に可能であるだろう」<br /><br />　僕は、この精神鑑定をよくよく吟味し、正しく理解し、本件の真相や背景と、Ｆ君の刑事責任を量る材料として活用しなければならないと思う。</span> ]]>
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<dc:subject>光市母子殺害事件</dc:subject>
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